恋口の切りかた

二刀流か。

うちの流派にも二刀流はあるけど──


「平八さんはどうしますか?」

相手にもう一つ刀を渡して、私は平八にも聞いた。

「いえ、私はこれだけで」

平八は首を振った。
肩にも腕にも力が入りすぎて、ガッチガチになっている。

大丈夫かな……。


「わ、私は鏡神流門下、杉山平八!」

刀を構えて平八が名乗り、続いて道場破りのほうも名乗りを上げた。

「うむ、拙者は二刀流、伊藤二刀斎と申す! いざッ」


…………えーっと。


「い、伊藤二刀斎さんデスカ……」

「何だそのニセモノ臭い名前は……」


私と冬馬の呟きが静まり返った道場に響いて──


「始め!」

冬馬の声で試合が始まると同時に、



「ふん!」



伊藤二刀斎とやらの右の剣が、平八の刀を弾き飛ばした。



続いて、左の切っ先が平八の喉元に突きつけられ──



「それまで」

冬馬の静かな声が試合の終わりを告げた。