恋口の切りかた

間に合うならばと、一応
虹庵のところにも火急の報せを送り、

そして

一人目の試合、


「武器はどうする?」

冬馬が試合をする二人に聞いた。

うちの一番手は、二、三年前に入った杉山平八という門弟さんだ。
円士郎より一つ年上の人で……私や円士郎には一度も勝ったことがないけれど、
でも、確か冬馬には前に一度勝ったことがあったと聞いている。

ひょろっとした痩せぎすの若者で、ちょっと頼りない感じではあるけれど、
れっきとした武家の三男だそうだし、何とか頑張ってほしいと思う。

対する道場破りのほうは、ガッチリとした厳つい巨漢だった。


が……頑張って、平八さん……。


冬馬は二人に向かって、両手に持った真剣と刃引き刀を示した。


「今日は我が父結城晴蔵が不在であるため、刃引き刀での試合も可とする。

刃引き刀を使用する場合はこのまま道場で、真剣での勝負ならば表で……」


「刃引き刀でッ! ……表は寒いし」

「そ、そうですねッ!」


道場破りが即答し、平八がこくこくと頷いた。


「…………では一試合目は刃引き刀で行う」

そう言って冬馬が平八に、私が道場破りにそれぞれ獲物を渡すと、

「あい待った、拙者は二刀流ゆえ、もう一振りお貸し願いたい」

厳つい巨漢はそんなことを言った。