恋口の切りかた

しばし沈黙があって、

「鎧の使用は……?」

と、恐る恐るこちらを振り返った四人に、

「有りですけど、こちらにはそんな用意はないので、手持ちでお願いします。
必要であれば刃引き刀は貸しますが……」

と私は告げた。


またまたちょっと沈黙があって、


「おいおい! 聞いていないぞこんな話!」
「誰だよ、こんな時代遅れの物騒な流派に殴り込みかけようって言ったのは!」
「お前、一人だけ防具つけてずるいぞ!」
「って言うか、どうして勝手に返事をしたんだッ!」


鎧男に向かってギャーギャー文句を言い出した四人の横で、


「挑発に乗った私が浅はかでした、申し訳ありません!」

頭が冷えた様子の冬馬が、こちらも私の言葉に青くなって
門弟の人たちと私に頭を下げた。

「もしもこの勝負で門下に死者が出た場合は、私が全ての責任を負って腹を切りますッ!」

「……な、何とご立派なお覚悟!
我らも鏡神流を背負う者として、冬馬様に腹を切らせぬよう戦いますぞ!」

大真面目にそう言った冬馬と、
ビビりまくっている様子なのに拳を握りしめてそう言った門弟たちを見て、



……武士って面倒くさい。



彼らには悪いけれど、私は心の底からそう思った。