恋口の切りかた

そうなのだ。

向こうが五人で来ているということは
当然、五対五の試合を申し込まれるということで──

勝ち抜き戦とかだったら、まだやりようもあったんだろうけれど……


「宗助、都築の腕は──免許皆伝だった?
まさか切紙や目録ってことは……」

私は傍らに控えていた宗助に、
あの辻斬りの元家老の腕前についてそっと尋ねた。

「都築様は、真念神影流皆伝の伝書を受けておられました」

宗助の答えを聞いて、私は少しホッとする。

道場での勝負とは異なる実戦での真剣勝負だったとは言え、円士郎はその都築を破った。


つまり──


「鏡神流は、実戦でこそ力を発揮する流派のようです。
他流試合であれば、今の冬馬様とおつるぎ様ならばそれなりの腕前の者相手にも通用するでしょう」

父上の命で何度か稽古に来ていた宗助はそう言った。

「つまり、五人のうち二人は冬馬と私として、残り三人は──」


私は、今道場にいる面々を見回した。


「び、微妙……」

「ですね」


私は溜息を吐き、宗助も能面のような無表情のまま頷いた。


この場にいる門弟の人は十人くらい。

うち半分は私や冬馬と同じくらいの年齢か、それより幼い子供で
残りの人も皆お世辞にも強いとは言えない。


他に強い人たちもちゃんといるのだが、
今日は父上もいないし、稽古の時間も終わっていて──

試合に使えそうな腕前の門下生は、皆ここにはいなかった。


あああ、どうしよ──!