毎年、この季節に空から落ちてくる白い綿帽子は
幼い頃の嫌な記憶を蘇らせる。
だから、
あの日以来、私は雪が嫌いになった。
けれど──
今年の雪は、何だか違って見えた。
いつもは嫌なことばかり蘇るのに、
「思い出すだろ、こういうのは」
「辛かっただろ? 大丈夫か」
辻斬りと相対した夜に聞いた
優しい円士郎の言葉が胸に浮かんで、
あの遠い雪の日の朝、
私を背負って屋敷まで走ってくれた円士郎の
背中の温もりや、力強い言葉や、
円士郎の背中で聞いた、彼が踏みしめる雪の音。
そんな記憶が鮮明に思い出されて、
私はなんだか温かくて柔らかいものに包まれているような気分で、
ふわふわした雪をぼんやりと眺めていた。
エン……。
心の中で小さく小さく呟いたら、
「おつるぎ殿、おつるぎ殿には好いた殿方がいらっしゃいますか?」
突然、背後から風佳がそんな質問をした。
幼い頃の嫌な記憶を蘇らせる。
だから、
あの日以来、私は雪が嫌いになった。
けれど──
今年の雪は、何だか違って見えた。
いつもは嫌なことばかり蘇るのに、
「思い出すだろ、こういうのは」
「辛かっただろ? 大丈夫か」
辻斬りと相対した夜に聞いた
優しい円士郎の言葉が胸に浮かんで、
あの遠い雪の日の朝、
私を背負って屋敷まで走ってくれた円士郎の
背中の温もりや、力強い言葉や、
円士郎の背中で聞いた、彼が踏みしめる雪の音。
そんな記憶が鮮明に思い出されて、
私はなんだか温かくて柔らかいものに包まれているような気分で、
ふわふわした雪をぼんやりと眺めていた。
エン……。
心の中で小さく小さく呟いたら、
「おつるぎ殿、おつるぎ殿には好いた殿方がいらっしゃいますか?」
突然、背後から風佳がそんな質問をした。



