恋口の切りかた

俺は、左内を殺したくないと考えているのか──?

よくわからなくなった。


さっき留玖は俺に、

「辻斬りで殺された人たちはみんな、死んでも仕方がないような悪い人だったんだよね?」

と訊いた。


その留玖の問いは暗に、

『悪い人なら殺されてもいい』

という意味合いを含んでいた。


おそらく、
辻斬りを斬ってしまえと話を持ちかけてきた遊水にしてもそうで、

根底には同じ考えがあるのだろう。


だが俺は──

自分と敵対しているからとか
悪人だからとか

そういう理由では相手を斬れない気がした。
命までは奪えない気がしていた。


では、そもそも何故俺は辻斬りを斬ろうと思ったんだ?


仮にこの先、左内と刀を抜いての真剣勝負になった場合、俺は左内を斬りたくないと考えるのか──

──いや、斬りたいと思うだろう。


それは間違いない。




ならば、



どういう理由なら俺は相手を、
積極的に斬り殺したいと思うのか……。



俺は考えて、

そして一つの結論を出した。