恋口の切りかた




「円士郎は、やっぱり人を……斬りたいと、思うの?」



凍りついた。



留玖の頬に触れていた手を放す。




……なんだと?




耳を疑って、

ここ数日の深夜の出来事が──

俺にまったく同じ質問をしてきた金の髪の天魔の顔が──

ちらついた。


「──何で今、そんなことを聞くんだ?」


俺は留玖の可愛らしい顔を見下ろして、


一体全体
これまでの会話の流れのどこから
こんなセリフが飛び出したのか

考えてみたが、


さっぱりわからなかった。



更に、留玖が辻斬りの話まで始めて

数日前、遊水が留玖と辻斬りの話をしていたのを思い出し──


遊水の奴が喋りやがった……!


ようやく俺はその考えに至る。


留玖は幼い頃に、似た事件で嫌な思いをしてるんだぞ!?

だから俺は絶対に巻き込みたくないと思ったのに、それを──あの野郎!


金魚屋に対する怒りが沸々とわいてきて、俺は自然と語気が荒くなった。