恋口の切りかた

留玖の口調にはどこか
俺を咎めるような調子が潜んでいて


俺は当惑した。



その頃、俺は遊郭だけにとどまらず、町の若い娘たちにも声をかけたりしていた。

これまで女に興味の無かった俺はまったく気がつかなかったのだが、
どの女も俺に相手にされると頬を赤く染め、キャーキャーと黄色い声を上げて騒いだので──

俺は自分がモテるということを自覚した。


昔は女なんて弱っちい生き物だと考えていて好きではなかったが、

こうしてチヤホヤされると……悪い気はしねえわな。


というか、小さい頃から周囲に嫌われ慣れていた俺にとっては、

無茶苦茶気分が良い!


優しくしてやればぽーっとなって、

うん、女ってのもかわいいもんだ。


もっとも、俺にサッパリなびかない鳥英のような例外もあったが……。



ともあれ、俺はモテる!



と、有頂天になっていて

女というものは優しくしてやれば喜ぶものだと思っていた俺は、

留玖にそう言われて、ややムッとした。


優しくしたらマズいのかよ?



マズい──のかもしれない。



女というものを知った今、留玖に対して優しくしたいと思うのは──

危険な気が

した。