恋口の切りかた

「それとオレは『領主様のお子さま』じゃねえ!
ちゃんと名乗っただろうが。『漣太郎』だ!」


少年は地面に木刀で「漣太郎」と漢字で書いた。


「うん」

とおれはうなずいて、それから

「難しい字だね」と、眉間(みけん)にしわをつくった。


寺子屋ではこんな漢字はまだ習っていない。


「あ。でもこの字、ハスって字に似てる」