恋口の切りかた

あの夜──


「円士郎様は、そこの刀で人を斬りたいとお思いか?」


居店で遊水にそう訊かれ、


「ご返答やいかに?」

「……ま、俺は人間失格ってことなんだろうさ」


自嘲気味にそう答えた俺は、得体の知れない翠玉の瞳を睨みつけた。


「昼間、楽しい遊びを教えるって言ったのはこのことか?」

「──ああ、いやいや」


俺のこの問いに遊水はふふ、と笑って首を横に振った。


「まさかまさか。
こんな無粋な行為を『遊び』などと言って、御武家様にお教えしたりはしませんぜ。

こっちは金魚屋、そっちは二本差しの侍だ。
教えるも何も、人を斬る方法なんざ、
そもそもそちらのほうが詳しいでしょうに」


ん?

てっきり、人斬り遊びだの何だのとそういう物騒な答えが返ってくるかと思った俺は、少し意表を突かれて首を捻った。



「では、そろそろ参りますかね」

遊水は杯を置いて立ち上がり、白い口の端を吊り上げた。

「もっと楽しい、円士郎様の世界が変わるような場所へお連れしますよ」


で、興味を惹かれた俺がついて行った先ってのが──