恋口の切りかた

私と円士郎は、七つ頃にある結城家の門番の交代時間まで鳥英の家に置いてもらった。

円士郎は屋敷を抜けた夜、いつもこの交代時間を利用して忍び込み、帰ってきていたらしい。



「結城のおつるぎ様か」

私のことを知った鳥英はそう言って目を丸くした。

「大の男を叩き伏せる剣の使い手だと言うから、どんな剛腕の大女かと思ったら……これはまた小柄な美少女だな」

遊水さんの時と同じように美少女と言われて、私はまた赤くなってしまった。

うーん、やっぱりこの人……

「また是非とも遊びに来てくれたまえ。美少女は大好きだ」

そう言う鳥英を見ながら思った。


──男の人みたい。


「心配しなくても私と君の兄上は恋仲などではないよ、安心したまえ」

鳥英はそんな風に苦笑して、私は再び顔が熱くなるのを感じた。

「聞いてやがったのかよ」

円士郎が毒づいて

「こんな狭い長屋の中であれほど大騒ぎされてはな」

鳥英がニヤリと笑って言った。


それから時間まで私たちは鳥英が描いた絵を見せてもらったりして……

円士郎は面白いだろ? と言ったけれど、


内臓や骨が見えてる生き物の絵ばっかりで、

私は泣きそうになった。