恋口の切りかた

「いや~良かったぜ」

「何がだ?」

「三人がかりで千人斬りとか、仲間が死ねば新たに引っ張り込んだりだとか──どうも好きになれねえ行動ばっかりだったけどよ」


死ぬ覚悟のある者だけを狙った辻斬り──


「そこだけは、気に入ったぜ」

「…………」

「俺でもそうしただろうって思えるね」


俺は、ちらりと横目で留玖を見た。


「勝負するなら、自分と似た相手のほうが楽しいからな」



都築は値踏みするかのように俺を眺めていたが、やがて口を開いた。


「お前も武士か。名は何という?」

「鏡神流、結城円士郎だ」


ほう、と都築が目を細めた。


「結城の──……随分悪い噂を聞いている。いずれ標的にする予定だった」

「悪い噂ね。否定はしねえけどよ。
標的って──何だよ、やっぱり悪人狙って世直しのつもりか?」


その問いには、やはり都築は答えなかった。


フン、と俺は鼻を鳴らした。

「なら、ちょうど良かったな。

俺はまさにてめえの言うように『我こそは』と、辻斬りをぶった斬ってやるつもりだったからな」


「成る程」

と、都築が口だけで笑った。





そして──





問答はここで、終わりだった。