恋口の切りかた

都築は、信じられない言葉を聞いたと言うように、穴が開くほど遊水を眺めた。


「貴様──何故、そのようなことを──」


彼の表情が、


たった今遊水の口から語られた内容が真実であることを──

この男がかつて、お家断絶となった家中に仕えた家老という身分であったことを──


何より雄弁に肯定していた。




しかし、俺も改めて驚嘆する。


遊水が裏で何をしているのか──それは虎鶫の銀治郎から聞いて既に知ってはいたが

まさかこんな情報にまで通じているとは……ううむ、つくづく得体の知れない奴。



「……懐かしい呼び名で呼ばれたな」


特に何の感慨もなさそうに言って、都築元国家老は小さく頭を振った。


「何でだ? てめえ、千人斬りと改易と──何か関係があるのかよ?」


俺は尋ねてみたが──


「語る必要はない」

「そうかよ」


俺と都築は互いに刀を構え、再び対峙した。