恋口の切りかた

家老──だと!?

俺は一瞬耳を疑い──


都築が、大きく目を見開いた。



「去年、改易となった──とある家中に、
あなたと同じ名前の国家老がいたのを思い出しましてね……」


遊水は、凍りつく男に向かって淡々と語った。


「主君を失い、家中の他の者たちと同じように浪人の身となったと聞きましたが──

まさか、このような」


ふふ、と──

遊水は何とも言えない表情で笑った。



「悲しいものですね……」