恋口の切りかた

「こうなったは俺の失敗だ……円士郎様が気にかけるようなことじゃない」

「エン! 私のせいだよ!
遊水さんは、調子の悪い私の代わりにこの人たちの相手をして──」

必死に言う留玖に、遊水は胸を押さえたまま微笑んだ。

「元々この件に円士郎様を引っ張り込んだのも俺だ。

おつるぎ様は、無関係なハズが完全に巻き込んじまった……怪我なんざ絶対にさせられません。
ご無事で本当に良かった」

ここのところ一緒につるんでいてわかったが、自分がこんな状況でも、他人を気づかってさらりとこんなセリフを口にできるのがこの男だ。

まあ、男に対してと女に対してで多少態度に差があるが。


留玖が泣きそうな声で、

「遊水さん……」

と呟いた。


こんな奴だから、独特の美貌も手伝って当然遊水は女にモテる。

それも、ここ数日共にいて嫌という程よくわかったことだった。


……この辺りはやはりイケ好かない男だ。
俺は再認識して──

「俺のことは気にするな」

「フン、気にしねェよ」

言ってきた遊水に、苦笑しながら答えた。


「解毒剤があるってことは『治療法もある』ってことだろ」

刀をビュッと一振りして都築を睨み据える。