恋口の切りかた

少なくとも、目の前の男たちと遊水が仲間のようには見えないけれど。


「円士郎様は、今夜はお見えになりませんで」

「え……それなら──」

円士郎はどこに──


と言いかけて、私の体を緊張が走った。


ざりっ、と刀を構えた男たちが足を動かして、
わらじと橋の間に挟まった砂が音を立てた。

遊水が私から男たちに視線を戻し、私も半分になった木刀を何とか構える。


「二人とは面倒な──どうする?」

「どうするもこうするもあるか! 顔を見られたからには……」


じりじりと足を動かしながら物騒な相談をする男たちと、私の前に立った遊水とを、私は見比べた。

「どういうこと? この人たちはいったい……」

「おかしなことを聞きなさる」


刀を構えた男たちに向かって、
遊水は腰を落として掌を突き出すという、奇妙な体勢をとりながら、


「もちろん、城下を騒がしてる件の辻斬り犯ですよ。
この状況で、他に何に見えるってんで?」


私は完全に言葉を失った。