恋口の切りかた

昨晩、見知らぬ男が殺されたのとほぼ同じ時間だ──。


私はフラフラと起き上がって、見えない何かに導かれるように円士郎の部屋を覗いた。

抱いた一縷の望みを打ち砕いて、部屋の中は昨夜同様空っぽだった。




頭が割れるように痛い。

胸がムカムカする。





そこからは──

いつかの遠い大晦日の夜と全く逆だった。


自分でもどう行動したのかはよく覚えていない。

けれど、何を考えていたか、
それだけはハッキリと思い出せる。



彼を
円士郎を
私の大切な人を

──止めたい。



その思いだけで、

私はふらつく足で夜の城下町に向かって駆け出していた。