恋口の切りかた

食べ終わって、私が横になっていると

円士郎は鍋とお椀を片づけて、また部屋に戻ってきた。


「お前がいないんじゃ、どうせ稽古にならねえし──俺もここにいてやるよ」

円士郎はそんなことを言って、私の枕元に座り込んだ。


もちろん、私がいなくたって稽古はできる。
相手なら平司だっているし、昔と違って背が伸びた円士郎は大人が相手でも問題ないはずだ。

「具合、どうだ? 辛かったら言えよ」

「……うん」

普段なら、単純に嬉しいと感じたはずの彼の優しい気持ちに──今日は胸を締めつけられるようだった。



「どうした!?」


円士郎が驚いたように私を覗き込んで、私は自分が泣いていることに気がついた。