恋口の切りかた

しまった……。

距離をとりすぎてしまった。


何て間抜けなのだろう。
ここまで来て見失ってしまっては、何のために軽業師の真似事までして後をつけてきたのかわからない。


どうしようかな。


遠くで犬の遠吠えが聞こえる。
今は何どきくらいだろうか?

頭上を見上げると高く上った満月が、白々と城下町を照らしていた。


しばらくウロウロと路地裏を探し回り──


商家の土壁が続いているばかりで、やっぱり二人の姿は見当たらず、
諦めてもう帰ろうかな、と思い始めた時だった。




ギャ────ッ!!

という、背筋が凍るような
もの凄い悲鳴が近くから聞こえた。