恋口の切りかた

留玖の言葉を聞いて、しばし何事かを考え込む様子を見せた後、

「……飼えば良いのではありませんか?」

平司の口からはボソリと有り得ない言葉が飛び出した。



──何ィイイイイ!?


こいつなら絶対反対すると思ったのに。

なんでだ!?



「ほらほらー」

留玖は勝ち誇ったように言う。


「ありがとうございます。さて、お代ですが……」

とっとと話を進めようとする金魚売り。


「って、まだ買うとは言ってねえだろ──!」

孤立無援の俺が叫(さけ)んで、



「にぎやかだな」

廊下を振り返ると、

庭で俺たちが騒(さわ)いでいるのを聞きつけたのか
親父殿が立っていた。


「む?」

平伏して頭を下げる金魚売りを見た親父殿は、少し目を丸くした。


「遊水か」

親父殿は、
世にもめずらしい混血の金魚売りをそんな名で呼んだ。