恋口の切りかた

「どうやって飼うの?」

「このようにタライや水盆に水を張りまして、その中で。

家の中に小さな池を作るようで、大変風流ですよ」

「うわぁー、いいなぁ、それ」


留玖は

無邪気に
楽しそうに

赤い魚をのぞきこんでいる。


「そうでしょう? ぜひとも兄上に頼んで下さいな」

「──ねえ、ダメかな?」


金魚売りに言われて、留玖はねだるように俺を見つめた。


……うう。


俺はたじろぐ。


ずるいぞこいつ、留玖を味方にするとは。


俺が固まっていると、強力な援軍が庭の向こうからやってきた。

「兄上、姉上、何をご覧になっておいでですか?」

「平司、お前からも言ってやれ」