恋口の切りかた

留玖が真っ赤になった。

「ご、ごめんなさい……失礼なことを」

「いえいえ」


混血の棒手振はふふっと──

男の俺が見てもぞくっとするような艶(なま)めかしさで笑った。


異人でもこの国の者でもない混血ならでは、だからなのか、

確かに留玖が言うように、鬼かあやかしか──

男には、現世を離れた者が迷い込んで来たかのような妖しい美しさがあった。


「それよりも……るき──とは、結城のおつるぎ様でしたか。

これは稀に見る美童と思っておりましたが……こちらこそご無礼を。
美少女の誤りでございました」


そう言って、緑色の目が優美に留玖を流し見て、留玖が再び頬(ほお)を赤く染める。


──っこの野郎……!


「てめえ、女を口説きたいなら他を当たれよ」

どかどかと裸足で庭に降りて、俺は留玖と物売りの間に割り込んだ。


「おっと、失敬! 客を口説くも商売の基本でして」


ぺしりと被り手ぬぐいの頭を叩いて、男は慇懃(いんぎん)に頭を下げた。


俺はまたイラッとする。

浮世離れした美貌で
浮世慣れした涼しげな振る舞いしやがって……!