恋口の切りかた

「うむ、堀口文七郎に間違いない」と親父殿が言って、

覆面頭巾と親父殿は顔を見合わせた。


二人の視線が俺に向く。


「どういうことだこれは?」

親父殿が俺にきいた。



「そのことについては、わっちから説明いたしんす」

と言ったのは、手当を終えたりつ殿だった。


では私は席を外しましょう、と言って虹庵が離れから出ていくのを見とどけると、

りつ殿は親父殿と覆面家老に向き直って、居ずまいを正した。


気丈にふるまうりつ殿を見て、「ほう」と覆面頭巾から感嘆の声がもれた。