恋口の切りかた

「私はエンの側室になって、エンの支えになりたい。

農民の出だからってもう、嘆いたりしないよ。

無理を通して正室になるんじゃなくて、
私にできることをして、エンの助けになりたいの」


キッパリとした口調でそう語る彼女は、俺の知らない女だった。


「この俺のために……?」


家族を失って、一人で泣いていて、

ずっと

俺がこの腕の中に閉じこめて、
守ってやりたい、
支えてやりたいと思い続けてきたのに──


いつの間にか、彼女はそんな風に俺のことを思ってくれるようになっていたのか……?



俺は温かな感動がじわりと胸に広がるのを感じて、

ずっと望み続けてきた俺の正室にならないことこそが、彼女の俺に対する思いの証ならば、俺もまたその思いに応えようという決意を固めた。


「わかった、留玖」


そっと、彼女の頬に触れて、


「俺の側室になってくれ」


彼女の望みを受け入れた。


「はい」


留玖が頷いた。