ああ── 俺の胸の中に、この月の宵の薄闇のような絶望が広がった。 まだ、駄目なのか── 俺は身分などという目で見ることもできないものに、彼女の中でまた勝てないのか。 武士と農民という身分に邪魔をされているのは彼女じゃない。 ずっと──俺のほうだ。 俺は奥歯を噛んで、