恋口の切りかた

「俺はお前を、正室にしたい」


円士郎の唇が、私がずっと目を逸らし続けてきたその言葉を囁いた。


「ずっと──そうしたいと願ってきた」


「エン……」


「だが、今──」


円士郎の目が苦しそうに歪んだ。


「今、俺は──お前を正室にはしたくねえとも思ってる」


彼は矛盾するセリフを口にして、

私の体はまた、円士郎に抱きしめられた。


「お前を一生江戸に閉じこめて、一年ごとに置き去りにするなんて、俺はしたくねえよ……!」