恋口の切りかた

「留玖──?」


俺は戸惑いながら声をかけて、


上を仰いでいた人影が、弾かれたようにバッとこちらを振り返った。

夕日に照らされて降る花びらと一緒に、同じ色の着物の袖がふわりと舞って、



何もかもが紅の光に染め上げられ、炎の中にいるような世界の中で、

長い睫毛に縁取られた大きな瞳で俺を見つめてくるのは、俺が知る男装の少女ではなかった。