恋口の切りかた

もう日が暮れる。


こんな時間まで、彼女が待っているわけがない。


そう思いながらも、必死にその姿を探して──





今年も一番見事に咲き誇った桜の大木の下に佇んで、頭上の梢を見上げる背中を見つけた。