恋口の切りかた

町の大通りを突っ切り、
太鼓橋を渡って、
花見客には目もくれずに、
川の土手を上流を目指して駆け抜ける。


水面を流れてくる花びらを横目に捉えて、


この先にいる愛しい少女の名を胸の中で繰り返しながら走って、


やがて、


すっかり陽は傾いて、茜色の夕日が西の空に沈む頃に、


ようやく俺は、
去年留玖と、来年も一緒に見ようと誓った桜の立ち並ぶ川辺へと辿り着いた。