恋口の切りかた

「なあ、あんたは──本当の年は俺よりずっと上だったんだな」

「ああ、今年で二十五だ」

青年は頷いて、それから可笑しそうに声を忍ばせて笑い出した。


「だから前に、城で円士郎に会ったことがないかと言われた時、ヒヤッとしたんだよ。

俺と初めて会った時のこと、よく覚えてたな」


俺は思わず額に手を当てて頭を押さえた。


「あーあー、やっぱりそうかよ! もう思い出したくもねー思い出だけどな」


俺の横で、少女のようにケラケラと笑って、


「初めて会った時──円士郎はいきなり俺に、自分の嫁になってくれって頼んできたんだもんな」


女のように華奢な青年は、俺が記憶から抹殺したい思い出を口にした。