着物の裾を踏まないようにしながら、歩きづらい足を必死に動かして、 そして満開の桜の巨木が並ぶ懐かしい場所に辿り着いて、 川の上に大きく枝の張り出した、あの見事な桜の木の下に── 大好きな人の姿は、なかった……。