恋口の切りかた




円士郎からの書状を読んで、私にはすぐに何のことかわかった。



あの場所だ。



川縁からは桜の木が姿を消し、
しかし水面の上を、一年前に円士郎と見た無数の花びらが上流から流れてくる。



この先に行けば──


去年二人で見たあの桜の下で、円士郎が待っている──。