恋口の切りかた

私は大きく息を呑んで円士郎を見上げた。


円士郎は目を見開いて殿を見つめていた。


「お……おいおい、いったい何の冗談だよ……」


しばらくして、円士郎が表情を強ばらせてそう言って、


「前にも申し上げたはずですが」

と、青文が口を開いた。


彼もまた、膝を折って礼を取っていた。

殿ではなく──円士郎に向かって。


「先君の妹を母君に持ち、砂倉家の血を継いでおられる。

円士郎様は、この国の殿となるための条件を十分に満たしていると。

加えて、
その行動力と決断力、精神力、
そして堂々たる立ち居振る舞いに風格は、主君たるに申し分ない」


朗々と語って、

青文が、地面の上で円士郎に頭を垂れた。


「円士郎様、あなたこそが我らの次の主君です」