【剣】 暗闇の中に背中が見える。 愛しい人の背中だ。 私は声を出して呼ぼうとするのだけれど、何も発することが出来なくて── 追いかけようとする足はもつれて、 大好きな人は、私を闇の中に残して、一人で行ってしまう。 いや…… やだよ……! もう、私を一人にしないでよ── 置いていかないでよ── 私は必死に手を伸ばして……── 「留玖……! 留玖、しっかりしろ!」 肩を揺すぶられ、 そんな風に呼びかけられて、 私は目が覚めて、布団の中で瞼を開けた。