【剣】 背中から染みこんでくる冷たい泥の感触を感じながら、 私は愛しい人の瞳を見つめ続けて── 「逃げる……?」 円士郎が小さく言って、私の上から体をのけて、重みが消失した。 私は身を起こして、 隣でほうけたように地面の上に座り込んでいる円士郎の表情を窺った。 固い決意の色しか見えなかった円士郎の瞳の奥で、何かが揺らめいているのがわかった。 「留玖……俺は……」 円士郎が初めて、迷っているような顔で私を見て、