恋口の切りかた

必死に身を捻った私の腕を刃がかすめて、


着物が切り裂かれ、焼けるような痛みが走る。



じわっと、裂けた袖に赤い色が滲んで、



熱いよ……!



斬られた場所は火を押し当てられたように痛んで、



これが刀傷の痛みなんだ、と思った。



私が斬った人たちも、こんな風に痛かったのかな……。

おひさとのやり取りを思い出して、そんな考えが脳裏を過ぎって──



更に斬りつけようと振り上げられる刃を見て、ぞっとした。



身をよじって暴れて、

つかまれている腕でなんとか刀を動かそうとして──




「この野郎──ッ」




完全に正気の失せた目をした円士郎が、



刀を振りかぶった夜叉之助を、逆袈裟に斬り上げた。