恋口の切りかた

「そうか……!
貴様は、鵺の息のかかった渡世人のもとで、用心棒などもしていたのだったな」

と、斬り結びながら夜叉之助が言った。



さすがに──強ェ……!


相手の激しい打ち込みをいなし、

隙を突いて深く斬り込み、

しかしそれをさばかれる。


そんなことを繰り返しながら、短い時間で決めなければまずいと思う。


冷たい秋の雨は容赦なく体温を奪い、
濡れた手は滑って、ともすれば刀を飛ばされそうになる。


条件は同じだ。

相手もそう思っているだろう。


何度か刀を合わせて、

夜叉之助が大きく後ろに下がって距離を取った。


互いに呼吸を整えて──

夜叉之助はまた、俺に憎悪のこもった目を向けた。


「結城円士郎、俺は貴様が憎い」