恋口の切りかた

人殺しが楽しかったわけじゃない。

人殺しのために剣を振るってきたわけじゃない。


けれど、


自分の刀で相手を斬るということが、

人の命を奪うことで、
誰かから大切な人を奪うことで、
おひさのように私を恨む者が現れるかもしれないのだということを、

私は見てこなかった。


刀を振るうことの重みを理解しないまま、ただ「勝負」という言葉で片づけて、


道場での木刀の試合も、

渡世人たちを斬る時も、

こうして盗賊を相手にしている時も、


この七年間、全ての「勝負」を等しいもののように楽しみ続けた。

人殺しのためではなくても──そもそも何のために剣を振るうのかの目的も何も存在していない剣を振るい続けた。


ただ剣を振るうこと自体を楽しんだ。


無邪気に、

子供の遊びのように。