恋口の切りかた

「しかし君の中でわずかに意識している真剣と木刀の違いが──木刀と違って真剣で斬れば私を殺してしまうという、当たり前の違いが──今の勝負では、ためらいを生んだ」


虹庵は私の敗因をそう語って、


「君の剣はおそらく幼い頃に殺されかけ、盗賊を斬り殺して生き延びた経験に根差しているのだろう。

確かに未熟な剣の腕では、斬り合いになった時、相手を斬り伏せて殺すことでしか勝つことができない。

けれどね、本当に剣の道を修めることができたならば──相手を殺さずに制することも可能なんだ」


師範代は諭すように言った。


「これは何も剣術に限ったことではない。
たとえば為政者の人の世を治める道にも通じることだ。

無論、十二の歳で六人の大人を斬り殺すことよりも、さらに容易ではないことだけれどね」


それから、虹庵は厳しい表情を崩して、


「だが私は、君にはそれができると信じているよ」

と、微笑んだ。


「普通の者には、常に『どうすれば手にした武器で人を殺すことができるか』の剣を振るうこととて難しいのに、
君は、既にその場所に立っているのだから」


そう言った後で、虹庵は再び表情を険しくした。


「だが留玖、今の剣をこのまま振るい続けていればいずれ、君は修羅の道に堕ちる」


そう口にする虹庵は、剣を振るう私に向けてきたのと同じ怖い顔をしていた。


「真剣勝負ですらも無邪気に楽しめるということは、

己が人の命を奪う重みを知ってそうであるのと、知らずにそうであるのとでは全く違う。

その意味で、今の君は剣技という外側では円士郎に勝っても、剣客としての内面では円士郎に劣る」


この時はまだ、自分が何を言われているのか──私には理解できなくて、