恋口の切りかた

家族や村人たちと全く同じ、おびえた目を再び向けられて──思い知った。



親に恐れられて、
捨てられて、

私は、何一つ変わろうとしてこなかったのだ。


父上や円士郎たち──武家の人間に肯定してもらって、
いやな過去を記憶の奥に封印して、
ずっと直視しないようにし続けて、

自分がどうして捨てられたのか──きちんと見つめようとはしなかった。


変われるはずがない。


それどころか、
自分の内側を置き去りにして、七年間も外側の技術を高めることばかりに没頭し続けた。


だって道場では、勝てば褒めてもらえるから。

認めてもらえるから──。


親に捨てられて存在を全否定された過去への埋め合わせのように、

そうやって私はずっと剣術の表面だけをなぞって、自分を受け入れてくれる円士郎たちの優しさに甘え続けたんだ……。



「鬼の子だ!」


目の前で盗賊の男がくり返した。


「この娘は──修羅だ!!」



修羅。



何かがほどけて、自分がバラバラになってゆくような気がした。