恋口の切りかた

次の花の茎に向かって漣太郎が刃を振り下ろし──、


そこに、

左手で鞘を払いのけるようにして中で刃を走らせ

抜刀した勢いで私は刀をすべりこませる。


私にはこの時、これが無意識にできた。



チャリンという、硬質な音が庭に響く。


私の刀が、花の手前で漣太郎の剣撃を止めた。

しびれるような衝撃が手に伝わる。


「おお!?」

漣太郎は嬉しそうに声を上げた。

「やるな。──へえ、こんな音がするんだな」


もっとすごい音でもするのかと私も期待していたのだけれど、なんだかあっけない音だった。


えへへ、と笑って刀を引き、
払いのけた鞘を拾い上げながら、
私はちょっと口をとがらせた。

鞘の横の地面には黄色い花が無数に散らばっている。

「ダメだよ、レンちゃん。お花がかわいそうだよ」