恋口の切りかた

「おい、くそガキ」

「ガキじゃない、ヤコ丸だ」

「貴様、霊子殿の居場所を知っているか?」


鬼之介が尋ねると、ヤコ丸は首をかしげた。


「レイコ?」

「この屋敷に女が来ただろう」

「……うーん、あの幽霊みたいな女かな」

「知っているのか! 彼女はどこだ!?」


鬼之介がつかみかかりそうな勢いで尋ねて、

ヤコ丸はニヤッといたずらっぽく笑った。


「オイラに勝ったら教えてやるよ」

「上等だ……!」


二人の視線がぶつかって、何やら火花を散らして、


「俺は海野喜左衛門様を探す」

帯刀はそんな言葉を投げてよこし、
奥の部屋に当たりをつけたのか、盗賊を斬りながら屋敷の横手へ回り込むように走っていった。


俺は与一を見た。

「ここは引き受けてやるよ」

与一は周囲の盗賊を見回してそう言い、



俺はうなずいて、



「邪魔するぜ」と姿の見えない家主に声をかけて、草履のまま玄関から家老の屋敷に上がり、

冬馬と夜叉之助を探して、盗賊を斬りふせながら盗人宿の奥へと足を進めた。