恋口の切りかた

「ねえ、鉄砲のいいところはさ、
刀や槍みたいな刃物と違って──オイラみたいな子供でも使えるってとこだと思わない?」

少年はやはりキラキラした瞳でそう語って──


自分で子供って言ってんじゃねえかよ!

俺は続けて心の中でツッコミを入れた。


「お兄さんはさ、『ぐれねえど』って知ってるかな?」

少年は鬼之介にそんなことを言いながら、手にした鉄砲を懐にしまって、

代わりに別の鉄砲を取り出した。


「ぐれねえど!?」

どうしてなのか、鬼之介の青白い顔が引きつった。


俺は眉を寄せる。
今度のは、妙に銃身の太い鉄砲だった。

見た目は火縄銃のようだが……


少年は俺たちのほうへとその奇妙な鉄砲を向けて、



「オイラは『飯綱のヤコ丸』──行逢神の平八の片腕だよ」



無邪気な顔がニッコリ笑って、小さな指が引き金を引いた。



ボスッ、という、鉄砲らしからぬ音がして、

何やら丸い物体が弧を描いて飛来してきた。


小さな火花を放つそれは、
鉄砲にしては遅すぎる速度で俺たち目がけて飛んできて──




なんか、爆弾みてえだな……。




俺の頭がボンヤリとそんなことを考えたのと、


「逃げろォ──ッ」

鬼之介が絶叫を上げたのとは、ほぼ同時だった。