恋口の切りかた

無論、親と子の間で血が流れることも多々ある武家社会だ。

菊田が、実の子を追い落として自らこの国の主君の座に着こうとする可能性もある。


しかし、彼らの関係を理解した上で菊田の野望を知り、手を組んだのならばともかく──何も知らずにこんな策謀を巡らせようとすれば──



以前、青文が「この国は、事情を知らぬ者にはどうこうできない」と語っていたとおりだった。



夜叉之助は、利用しようとした者の真意をつかみきることができていなかったのだ。



一方の青文は、そんな菊田や藤岡たちがどういうつもりなのかを読んでいたということだろうか。

俺の頭がそんなことを考えた時──


歯ぎしりしていた夜叉之助が、そばにいた家来にチラッと目で何か合図を送った。

家来二人が懐に手を入れて、取り出した何かを辺りにばらまく。


突然、

激しい爆発音が鳴り響き


辺りに、もうもうたる白煙が広がった。