恋口の切りかた

「遠出中に──殺された?」

俺は目を見開く。

殿の遠出中に起きたと聞かされた出来事は──

「落馬して怪我をしたんじゃなくて?」

「そうだ」

親父殿は深刻な表情で頷いて、


「これが、十一年前に起きた本当の出来事だ」


つまり──と、続けた。


「この国は完全に当主を失い、断絶の道しかなくなった」