では、
この場に現れてから今まで、
青文だと思ってきた覆面家老の中身は初めからずっと与一だったということなのか。
私はただ感心することしかできなかった。
その完璧な演技には、
青文と与一、二人を両方とも知る私すら全く気づけなかった。
この場にいる他の人たちに見破れるわけがない。
「はて? 海野殿、これはどういうことですかのォ?」
藤岡仕置家老が、やっぱり笑顔のままで清十郎に尋ねた。
「こんなことが──」
清十郎がぼう然とした声を出して、
「皆さま方、もうこの頭巾をつけても宜しいですかな?」
青文──ではなく与一が、しれっと言った。
「うむ、十分改めさせていただいた」
菊田が頷いて、
気怠そうな視線が、やはり清十郎のほうを向いた。
「さて、私はこのとおり素顔をさらした。
次は貴殿の胸に彫り物がないかを改める番ではありませんかな、海野殿──否」
青文に化けた与一は再び覆面で素顔を隠し、
「盗賊の首領──夜叉之助!」
清十郎に指を突きつけて、朗々たる声でそう言った。
この場に現れてから今まで、
青文だと思ってきた覆面家老の中身は初めからずっと与一だったということなのか。
私はただ感心することしかできなかった。
その完璧な演技には、
青文と与一、二人を両方とも知る私すら全く気づけなかった。
この場にいる他の人たちに見破れるわけがない。
「はて? 海野殿、これはどういうことですかのォ?」
藤岡仕置家老が、やっぱり笑顔のままで清十郎に尋ねた。
「こんなことが──」
清十郎がぼう然とした声を出して、
「皆さま方、もうこの頭巾をつけても宜しいですかな?」
青文──ではなく与一が、しれっと言った。
「うむ、十分改めさせていただいた」
菊田が頷いて、
気怠そうな視線が、やはり清十郎のほうを向いた。
「さて、私はこのとおり素顔をさらした。
次は貴殿の胸に彫り物がないかを改める番ではありませんかな、海野殿──否」
青文に化けた与一は再び覆面で素顔を隠し、
「盗賊の首領──夜叉之助!」
清十郎に指を突きつけて、朗々たる声でそう言った。



