恋口の切りかた

城の渡り廊下の途中で、青い顔をした隼人と会った。

「隼人」

声をかけた俺に、

「いったいこれは……」

隼人は引きつった笑いを浮かべて訊いてきた。

「濡れ衣だ。海野清十郎にハメられた」

俺が言うと、隼人は絶句して、

それから、俺の後ろに立っている帯刀を睨み据えた。


「あんた──これで満足かよ!?」


食ってかかろうとする隼人に、

「よせ」

と制止の言葉を放って、俺は帯刀を振り返った。


「あんたの兄のことは知らなかったとは言え、これまで悪かったな。許してくれ」


俺の謝罪に、隼人が物言いたげにパクパクと口を動かして、


帯刀は冷徹な表情を崩さぬまま、無反応だった。