恋口の切りかた

「無礼者!」

惚けた俺の手を振り払って声を上げ、清十郎が素早く着物の乱れを正して、


次の瞬間、俺の体は畳の上に叩きつけられた。


「この愚か者がッ!!」

と、俺を組み伏せた親父殿は怒鳴って、


「殿、御前でのご無礼、どうかお許しを!」

立ち上がっていた左馬允に向かって言った。

「この上は愚息の切腹を見届けた後、守り役の任においとまを頂きたく」


俺は凍りついた。


動きを止めた俺から手を離し、親父殿はその場に立ち上がった。


「今、何て言って……」


掠れた声を出して、ぼう然と親父殿を見上げる俺に、


「円士郎、切腹を申し渡す」


親父殿は静かな声音で命じた。




「武士なら潔く腹を切れ」