恋口の切りかた

帯刀は冷徹な顔を崩さず、淡々と、

「ほう。秋山隼人も一緒か、ちょうどいい。
貴様にも円士郎殿の謀反に荷担した嫌疑がかかっている。一緒に来てもらおう」

と、猛禽のような目を俺から隼人に移して告げた。


隼人があんぐりと口を開けた。


「待てよ……なんで、城からの命で帯刀、あんたがここに来るんだ?」

もつれそうになる舌で、何とか口にした俺に、


「御家老の海野清十郎様のはからいにより、それがしは本日より番頭に取り立てられた」


帯刀が寄越してきたのはそんな返答だった。

思わず隼人と俺は視線を交わし合った。


数日前に聞いたまま、帯刀本人には結局何も尋ねることができずにいた神崎家の過去が脳裏をよぎって──


「我が兄が結城晴蔵様により切腹させられたこと、御家老はいたく同情してくださってな」


神崎帯刀は、出会ってからこれまで何度も俺に向けてきた──底に静かな怒りの潜んだ冷ややかな目で、そう言った。