恋口の切りかた

「冗談だ冗談、本気にするな奈津」

などと親父殿がのらりくらりとかわし、

それにまた母上が激昂する。


見慣れた夫婦ゲンカの構図が完成したのを背に、
俺はその場からとっとと退散した。




もっとも



この時の結城晴蔵の言葉が

実は冗談などではなかったことを、



後々俺は知ることになるのだが……。